出生前診断について
先日病院の検診を受けた際に「出生前検査受けますか?」と聞かれました。
現在36歳なので高齢出産扱いになるとわかってはいたものの、特に何も考えていなかった私はその時に「あぁ私は高齢出産だから色々なリスクがあるんだな」と再認識しました。
出生前診断は何種類かあって金額もピンキリでした。
ただ金額が安いほど精度が低く、精度が高い検査をするならば20万程かかるということでした。
色々な事をひっくるめてその場で返事が出来るような質問ではなく、
「次の検診までに旦那さんと相談して決めて下さい」と言われ、帰ってから夫に相談してみると「するする!」と何とも軽い返事が返ってきました。
「それは異常があった場合、堕ろすってこと…?」
「うん!」とまた即答で軽い返事が返ってきました。
どの決断を選ぶにせよ、簡単な事ではない。
ただ、もしも障害を持つ子を産んだ場合「この夫と育てられるだろうか…」と一抹の不安も感じました。
そしていざ出生前検査をすると決断しても、今度は何種類かある出生前検査の中からどれを選ぶのか悩む事になりました。
それに関しても夫に相談した所「好きに決めて良いよ」と言われましたが、一人では決められないから相談しているわけで、一緒に話し合いをしようと食卓テーブルに向かい合って座ると、夫は何故かTVの前のソファに移動してTVを観だしてしまいました。
さすが、話し合いの出来ない男!
「ちょっと!一緒に考えようよ!」と訴え、そして夫は一人でネット検索をして
「NIPTでいいんじゃね?」と結果だけを私に伝えてきました。
そうして私はNIPTを受ける事となりました。
NIPT(母体血胎児染色体検査)について
出生前診断とはお腹の子に障害がないかどうかを調べる検査です。
一番確実なのは羊水検査なのですが、羊水検査は直接お腹に針を刺して行うため流産のリスクもあるという事。
そこでNIPTというのが“血液を採取して、その血液から取れた染色体で異常がないか調べる”というもの。
ただ、非確定検査なので100%の結果は得られませんが、
NIPTの検査で「高い確率で陽性です」「高い確率で陰性です」という結果を出してくれて、それで陽性の確率が高いという結果が出た場合、初めて羊水検査(確定検査)をする、という運びになります。
よって、障害がある確率が高いか低いかもわからないのに、むやみに流産の確率がある羊水検査をすることから免れるという検査がNIPTという検査です。
NIPTの手順
私の住んでいる所でNIPTの検査をしているのは、大学病院か近隣の大きな病院で、私は大学病院に決めました。
この手順はその病院によって違うと思いますが、私の通った大学病院は
必ず夫婦でカウンセリングを受ける
↓
別日に血液採取
↓
必ず夫婦で結果を聞きに行く
という流れでした。
どれも平日しか予約が入れられなかったのですが、夫はこの検査にえらく前向きで仕事の都合をすぐに合わせてくれました。
夫婦カウンセリング
この夫婦カウンセリングがどのような内容なのか?全く見当もつきませんでしたが、
内容はこの検査について掘り下げてかなり解り易く丁寧に説明してくれるという内容でした。
その説明の中で、ダウン症や18トリソミーや13トリソミーの異常がある子が生まれてきた場合についての説明もありました。
それは写真付きの説明で、障害を持って生まれてきた子達が一生懸命生きて、家族と楽しそうにしている写真や、色々な事に挑戦している写真でした。
そもそも出生前診断を受けるという事は「障害がある場合は堕ろす」こと前提なんですよね。だって障害があっても産みたいなら、あんな高いお金を払ってまで検査する必要なんてない訳ですから。
私はカウンセリングを受けてかなり考えさせられました。
きっと別日に血液を採取するのは、病院側の手続きや色々な事情があるのだろうけど
きっと、このカウンセリングで気が変わる夫婦がいるからではないかと思いました。
カウンセリングの最後に説明をしてくれた方が
「もう一度夫婦で話し合った上で、どうするか決めてくださいね」と優しく言って下さいました。
帰ってから夫に「今日のカウンセリングでどう思った?」と聞いたら
「考えても仕方なくね?」(障害がある子が生まれてくるのは確率が低いから、障害があったらどうしようって考えても仕方なくね?)との事。
それを聞いて私は「そう考えてるなら、この検査しなくていいじゃん!」と言いました。
確かに考えなくてもいいことなのかもしれませんが、あの説明を聞いて検査を受けるならば、話し合いはしなければならないと私は感じていました。
私は「たとえ障害があっても一生懸命生きられる命だから私は大切にしたい」と伝えました。
それでも「考えるだけ無駄」だと言う割に、高いお金を払ってでも検査はするの一点張りで、つまり夫は何も考えず“障害があれば堕ろす”という気持ちなのだと思いました。
そうして私は先日血液を採取しに行きました。
病院を歩きながら、私のお腹の中でトクトクと心臓を動かして生きている、まだ卵くらいであろう小さな命を思い出しました。
このお腹の中で一生懸命生きている子に障害があるかどうか調べるなんて、なんて酷い事をしているのだろうと、お腹の子にとても申し訳ない気持ちになって涙が出ました。
出生前診断とは本当に色々と難しい検査です。
ここまで読んで不快な気持ちになった方もいらっしゃるかと思います。
ですが、これが私達夫婦の現実です。
そして検査結果はまだ出ていません。
また書きます。
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